大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)579 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人小風一太郎の上告趣旨は末尾添附別紙記載のとおりであるが、当裁判所に

おいて職権を以つて調査した処によると、原審は昭和二八年九月一八日控訴趣意書

提出最終日を同年一〇月一七日と定め、同年九月二一日被告人に対し右最終日を通

知し、同時に刑訴規則一七七条、一七八条による弁護人選任に関する通知並びに照

会をしたに拘らず、被告人から国選弁議人選任の請求があつたのは同年一〇月一七

日即、控訴趣意書提出最終日であることがわかる、されば何等特別の事情の認むべ

きものなき本件においては被告人の責に帰すべき事由によつて控訴趣意書提出期間

内に控訴趣意書を提出出来る様な適当の時期に弁護人選任の請求をしなかつた場合

と見るの外なくかかる場合は裁判所が控訴趣意書提出期間後に弁護人を選任しても、

被告人の憲法上の権利の行使を妨げたものではないから、憲法違反ということは出

来ないのであつて、右の様な場合裁判所は控訴趣意書提出最終日の指定替をして弁

護人に改めて控訴趣意書提出の機会を与えなければならない義務を負うものではな

いこと当裁判所大法廷の判例とする処である(昭和二五年(あ)第二一五三号同二

八年四月一日大法廷判決)。それ故論旨第一点は理由がない。同第二点は刑訴第四

〇五条所定の上告理由に該当しないし同法第四一一条を適用すべき理由も見当らな

い。

よつて刑訴第四〇八条第一八一条に従つて裁判官全員一致の意見で主文のとおり

判決する。

昭和二九年六月二二日

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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